利尿剤で血圧が下がる仕組み

血圧測定機

高血圧の人には利尿剤が処方されるケースが多いのですが、メカニズムがわからず不思議に思っている人が多いでしょう。
利尿剤は尿量や回数を多くするだけではありません。
実は、排尿の際に体内の余分な水分とナトリウムも体の外に出しています。

高血圧には様々な原因がありますが、その1つに体内のナトリウム濃度の上昇があります。
高血圧の栄養指導に塩分を控えましょうと言われる理由です。
生活面での注意も併用しますが、利尿剤を使うことで体内ナトリウムと水分を調整することが可能です。

塩分が関わる高血圧は体内ナトリウム濃度が上昇し、それを薄めるために水分の量も多くなっている状態です。
人間の体の適性ナトリウム濃度は0.8%程度です。
しかし、それ以上になると体の中に水分をため込んで、ナトリウムの濃度を薄くする機能が働きます。
結果的に、体の中にはナトリウムも水分も増加した状況が出来てしまうでしょう。
余分な水分は血液の中や血管壁にも入り込むというのが一般的な考え方です。

そして血管壁がむくんだ状態になり、かつ血液の水分量も上昇することで、血管の中では圧力の高い状態が続きます。
このようにして、塩分が原因の高血圧になると考えて構いません。
上昇した血圧を下げるために、利尿剤を服用して水分とともにナトリウムを排出するのが主な目的です。
利尿剤の使用によって、高血圧の引き金になる水分とナトリウムをデトックス(毒出し)する感覚だと考えて構いません。

高血圧の症状が強ければ、降圧剤で対処しますが、その前段階であれば利尿剤の使用で血圧を下げコントロールすることができるでしょう。
高血圧を引き起こしている原因物質を減らしてしまえば、症状の改善や緩和はスムーズになります。

以上のメカニズムによって、利尿剤を使用すれば血圧が下がる効果があると言って良いでしょう。
ただし、利尿剤を飲んでいれば安心だと思って、塩分の摂取量を控えないのは避けた方が賢明です。

降圧剤と組み合わせて使うことも多い

利尿剤は高血圧の治療で降圧剤と併用されることの多いお薬です。
高血圧では体内の塩分や水分が多くなって血圧が高くなっていることが多く、利尿剤はそのような場合に血液中の水分を尿として排泄することで血圧を下げる効果があります。

利尿剤は腎臓の主に尿細管という部位に働きかけてナトリウムや水分の再吸収を抑制し、尿中から余分な水分を排泄させる作用があります。
利尿薬は尿細管で作用する部位などによっていくつかに分類されます。

その中で高血圧によく使用されるのはサイアザイド系利尿薬です。
サイアザイド系利尿薬は遠位尿細管でのナトリウムの再吸収を抑制します。
ナトリウムは水分と一緒に移行するため、水分の再吸収も抑制されて水分を尿から排泄させる作用があります。
体内の余分な水分が排出されることで循環血液量も減って血圧が下がるという仕組みです。

またこのお薬には交感神経刺激に対する末梢血管の感受性を低下させて血圧を下げる働きもあると考えられていいます。
降圧効果が高いことから高血圧に最もよく使われています。
ただし、ナトリウムとともにカリウムも排泄されるため低カリウム血症に注意が必要です。

ループ利尿薬はヘンレループでナトリウムとクロールの再吸収を阻害し、水分の再吸収を抑えることで尿からの排泄を促します。
このお薬は腎臓に悪影響を与えないことから慢性腎不全の患者さんにも使用でき、高血圧にも使われています。

カリウム保持性利尿薬は遠位尿細管で水分の再吸収を抑え、尿からの排泄を促します。
このお薬はナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を抑制することから、他の利尿薬で起こる可能性がある低カリウム血症を予防することができます。
また、心臓や腎臓に対して保護効果があると言われています。